クスコでマチュピチュへの足探し
バスは、長い距離を走って、ようやくクスコに到着した。
クスコで泊まる予定の宿までは、3キロくらいだったので、歩けると思い歩いて行くことにした。
しかし、その選択がとんだミスだった。
クスコは標高も高くて、再び酸素が薄い場所なうえに、宿のあるアルマス広場は坂の上の方で
3キロとは言え、全て上り坂なのだ。
バックパックを担いで、そこを歩かなければいけないなんて、わかっていなかった。
バスターミナルから歩きはじめ、少しすると、すぐ後ろから韓国人の男の子が、ずっと同じルートで
歩いていた。好青年風のイケメンだった。
サヨが声をかけると、にこやかにサヨに返していた。
どんな会話をしていたのかわからなかったが、結局違う宿だったらしく、二人は残念がっていた。
そして、すぐに別々の道になり、彼とは別れた。
その後も、坂は続き、しかも日差しが強くてジリジリした。
サヨは、ずっとぶーぶー言ってきた。
東京にいる時は、サヨが歩こう歩こうと言ってくるので、僕はいやいや付き合わされているが、
これじゃ立場が逆転だ。
それでも、少し拓けてくると、サヨは、早く宿で荷物を下ろして探検したいと言った。
何とか、アルマス広場に到着した。
かっこいい景色だなと見とれている場合でもなく、最後のとどめが待っていた。
もう地獄。
ここからは、階段しかなかった。
分かれ道があっても、階段での分かれ道。
サヨはもう、言葉すら発せられないようだった。
十何キロのバックパックを背負って、どこまで階段をのぼれば宿があるのか、
もし、ここまで来て、道を間違えていたら、僕はサヨに突き落されるかもしれないと不安になった。
その時、少し上の階段途中で、声援を送るように手を振ってくる女性2人がいた。
今日、泊まる宿、カサデルインカの従業員だった。
やっと到着することができた。
部屋に案内してもらい、コカ茶のウエルカムドリンクがありがたかった。
もう、3日間ぶっ続けで移動をして疲れたので、休んでいたい気持ちはあったが、
出かけなければならなかった。
明日マチュピチュに行ってしまいたいのだ。
ネットでマチュピチュまでの足が買えるらしいので、少し、Macで鉄道を調べてみたが、どのルートでも売り切れていた。
僕はどうしても電車に乗っていきたかった。
なので、ツアーは使わないが、個人手配のヒントをツアー会社に聞きに行ってみることにした。
重い荷物を下ろして歩くと、とても爽やかな街だった。
古いけど綺麗な建物が多く、空気も澄んでいる。
まず最初に行ってみたのは、地球の歩き方でおすすめされているツアー会社だ。
しかし、対応してくれた方はとても良い人だったけど、ここでは、ツアーなどはやっておらず、
チケットの手配も、サーバートラブルにより今は出来ないらしく、
別の会社を紹介してもらった。
が、最初にその人がかけた知り合いの人は、今はリマにいるらしく、ダメだった。
そして次に、下の階のツアー会社はどうかと紹介してくれた。
そこのツアー会社は、リンカツアーといい、最初にこの建物の前で迷っていた時に、
上だよと場所を教えてくれたおばちゃんがリンカさんだった。
正直、僕は、すげーあやしいおばちゃんだと思った。
ペルーに到着して、すぐにクスコに向かい、ここに来たので、正直ペルー人がどんな感じなのかわからない。
ボリビア、アルゼンチンと来て、アルゼンチンは特にいい人多かったけど、ペルーは正直治安の悪い国と言うイメージも拭えてはいない。
騙されるんじゃないかと思った。
最初に地球の歩き方にのっているツアー会社を教えてくれたところから、罠になっていて、
むしろ、地球の歩き方もグルなんじゃないかと思うくらいだ。
そもそも、地球の歩き方の情報は、アルゼンチンでは全て間違っていた。
結局、ここでチケットのみ全て手配してくれるとのことで、行くのは個人で行けるようにしてくれるとのことだったので、
予約をすることにした。
しかし、めちゃめちゃ高い!!
調べた時、マチュピチュって確かに、鉄道も入場料もすげー高かったけど、それにしても高い。
サヨもドン引きしていた。
だが、結局、リンカさんは悪い人ではなく、むしろ全ての料金を計算しても、その値段はかなり良心的だった。
ただマチュピチュが高いだけなのだ。
とにかく、僕はマチュピチュに行くことを楽しみにしていたので、この時はまだリンカさんに対しての
疑いがあったが、行けると決まってほっとした。
しかし、夜中の3時30~4時に宿に迎えに来るって言われたのが凄く引っ掛かった。
階段の上なのに、迎えに来れるのか?そんなことわざわざすんのか?
確認したけど、問題ないと言われたので、ますます疑いは増した。
とりあえず、チケットは後でとりにこいとのことだったので、夕飯を食べることにした。
このチケットは、後と言うシステムも、すげー疑心暗鬼になった。
すぐ近くに、PUCARAというレストランを見つけて入った。
ここが、当たりの店だった。
日本人オーナーの店らしく、日本人向けの料理を出してくれる。
店員は、日本語を話せなかったけど、とても感じがいい。
もちろん、料理もすごくうまかった。
すぐ隣に座っていた、年配のとても仲良しそうな夫婦がにこやかに声をかけてくれて、
サヨと二人の写真を撮ってくれた。
お店の中の雰囲気もいいし、凄く満喫した。
ただ、一人、日本人の女の人が客で居たから、挨拶しようと思ったけど、
いっさい話しかけるなと言うような怖い顔で、ずっとPCを見ていたのが残念だった。
サヨは、そういう人もいるよと言っていたけど、せっかくこんな地球の裏側で同じ日本人に会えたのに、
話しかけるなっていうのは、すげえ残念と言うか、損してるなと思った。
時間になったので、リンカさんのところへチケットを取りに行った。
チケットはちゃんと手配してくれてあり、すべてそれぞれの名前入りだった。
マチュピチュは厳しいらしく、パスポートチェックなんかも頻繁にあり、完全に本人じゃないとダメになっているらしかった。
リンカさんは、間違っている場所がないか再度確認してくれた。
とりあえず、騙されてなかったと安心した。
これで、明日はマチュピチュへ行ける!
サヨも嬉しそうだった。
その後は、明日の早起きに備えて、宿に戻り部屋で荷物を片していると、ノックが鳴り、
恐る恐る出てみると、受付の女の子がいた。
女の子は、何か言った。何言ってるのかわからなかった。
僕は、英語を話せるか聞いた。英語を話してたんだけど。
結局、宿までは車が入れないから、迎えに行く場所は、アルマス広場のマックの前に変更になったとのことだった。
僕は再び、不安になった。
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