バスでブエノスアイレスへ
サヨが一人散策から戻ってきて、バスも来たので、無事にプエルト・イグアスを出発!
初の先頭座席に座って、楽しみながらブエノス・アイレスを目指します。
先頭の眺めは、最高。
バスも順調の様子。
サヨと一緒に、ひたすら景色を撮って、バスの景色を楽しんだ。
隣の席は、夫婦なのかカップルなのか。。。
メロンちゃんカップルということにしておく。
アルゼンチンで流行りのポットのカップを持っていた。
そう言えば、ナディアも飲んでいたなと思いだした。
カップにストローもついたスタイルのカップ。
真上には、大きなモニターがついていて、映画が流れていた。
なんだか、薄気味悪いホラー映画だったが、眺めていた。
映画好きなサヨは、何かわかったようで、クリムゾン・ピークというタイトルらしかった。
亡霊が出てきたり、一面血だらけの雪景色が出てきたりと、
なんだか、絶景のこの景色にふさわしくない映画だと思っているうちに、
日が暮れて、映画の世界みたいな空の色になった。
まるで、気味の悪い映画に引っ張られたように、順調に走っていたバスは、突然停車した。
それまで、ポリスの抜き打ち検査で、何度か止められては、ポリスが乗り込んで降りて行くということはあったが、
完全に停車した。
そして、徐行運転をしたのち、再び止まって、目の前にあったのは、
事故でめちゃめちゃになった車だった。
一番前の席だったから、何もかもがよく見えてしまった。
センターラインをはみだし、ヘッドライト付近は完全に大破。
フロントガラスも割れていて、エアバッグまで作動していた。
車の運転手は、若い兄ちゃんのようで、幸い彼は無傷だったようで、車の外に出てきて、
電話をどこかにかけたり、また車に何かを取りに戻ったりと、忙しなくしていた。
しかし、よく見ると、前方200Mくらい向こうで、対向車の交通整理をしていた。
事故の当事者同士なのか、5人くらい集まって会話をしていたが、原因などは全くわからない。
その中の女性は、泣いているのか、時々目を拭っていた。
かなり長いことバスは停車し、やっと動き出した。
道が広いから、脇道を通り、ゆっくりと進んで行った。
そして、ついに事故の全容が明らかになった。
もう一台、車が止まっていて、バンパー破損。
そしてすぐそばに、なんと、大きなバイクが転倒していた。
そのうえ、道の横には、人が横たわっていた。顔にシートが被せてある。
凄くショックだった。まさか、南米まで来て、しかもこんな見晴らしのいいバスの2階席一番前から、
人の死を目撃してしまうなんて。
サヨと一緒に、そっと手を合わせた。
その後、サヨに異変が起こった。
ショックのせいか、体調が悪いと言う。ここからは、3日間、ぶっ続けの移動の予定だ。
バスもブエノスアイレスに着くのは、明日の午前。
とりあえず、まだこのバスが座席を十分に倒せて横になれることだけは幸いだと思った。
バスの運転手も、事故の影響で、より慎重に進んでいるようだった。
バイクが前方にいると、ハイビームにして凄く注意をしていた。
夜遅く、夕飯が配られ、サンドイッチとマッシュポテトと挽肉の温かい料理だった。
そして、朝ごはんでおやつセットが配られた。
バスは、予定時刻をだいぶ遅れて、ブエノスアイレスに到着した。
前もって調べていた通り、ブエノスアイレスのバスターミナル付近は、完全なるスラム街だった。
バスターミナル自体もかなりぼろい感じで、中はとても暗かったし、地下街などもあったので、
間違って一人でここで迷子になったら、恐ろしいと思った。
珍しく、サヨがビビっていた。
本当は、ブエノスアイレスを少し散策する予定だったのだが、バスの到着が遅れたため、時間がなくなってしまった。
とにかく、ビビっているサヨの手を引いて、エセイサ空港へ行くバスの会社を目指した。
街の中心の方は、南米のパリと言われているので、ぜひとも見てみたかったが、仕方ない。
とりあえず、街を歩けただけでも良しとする。
曇っているし、観光向きの日じゃなかった。
公園を抜けて、エセイサ空港へバス運行しているLion社が見えてきた時はほっとした。
空港までの料金は、一人片道210ペソで、歩き方に載っている金額よりはるかに高くなっていた。
頻繁に運行しているらしく、すぐに来たので、それに乗り込んだ。
そして、1時間くらいで、エセイサ空港に到着した。
最初、停まった場所で降りようとしたが、運転手に聞いてみたら、
スカイエアーは、次だと言われて、もう一度車内へ、そして着いたのでお礼を言って降りた。
正直、空港は綺麗だったけど、そんなに大きくない。
トイレに行ったサヨを待っていた時、小さな子ども連れの母親が近くに来た。
子どもにトイレから出てきたら、ここで待っていなさいと必死で伝えていた。
しかし、案の定、男の子は、トイレから出てくると、すたすたと歩いて行ってしまった。
どうするべきか、ここで待っていろと言ってたように感じたのは僕の勘違いかもしれないし、
迂闊に声をかけて、誘拐犯と思われても困る、どうしようかと思っていたら、母親が出てきて、
オロオロして探していたので、男の子の方を指をさすと、母親は2言くらい何かを言った。
お礼を言ったのか、他のことを言ったのか判らないが、後で他の家族とみんなで歩いていたので、
無事に見つけられて良かった。
やっぱりサヨの体調があまり良くないので、とりあえず2階に行ってゆっくりできる場所を探した。
チリまでのフライトは、時間は短いが、食事も出ないので、近くにあったハンバーガーショップに入った。
ハンバーガーは凄い大きさで、最終的にはサヨの分も半分食べたので、かなりの量になった。
入口には、モデルのようなスタイルのいい女性を立たせて呼び込みをさせていた。
アルゼンチン特有だなと思った。
そして、早めにチェックイン。
パスポートを見せるだけで、メインバックも預け、チケットももらえた。
中に入れば、ゆったり横になれる椅子が並んでいるかと思いきや、
椅子は完全に寝られないように、ひとつずつ動かない手擦りで固定されていた。
サヨは、ぼやいていた。
空港で、日本人を探したけど、やっぱり出会えなかった。
飛行機の中は、ジェットスター並みに狭かった。
後ろのおっさんが、凄く背もたれをつかんでくるので腹が立った。
おまけにCAに、僕の椅子を戻せと伝えてきた。前に乗った人が少し倒したままだったらしい。
僕のせいではないと言いたかった。
しかも、前の奴が今度はわざわざ飛び立つ前なのに、座席を倒して来やがった。
またしても腹が立ったので、前の座席を叩いてやったが、全くの無視だった。
でも、それで良かった。
後々顔を見たら、マフィアのボスみたいなおっさんだった。
冷静さを取り戻した。
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