イグアスの滝に入場できない?
朝起きて、宿の受付に荷物を預けた。
昨日居た感じのいい兄ちゃんではなく、アルゼンチン版の田舎娘という感じの
メガネにおさげをした、素朴な子がいた。
サヨが話しかけると、テンション高く答えていて、サヨが差し出した飴を嬉しそうに受け取っていた。
サヨは、彼女をとても可愛いらしいと言っていた。
8:30頃、バスターミナルからバスに乗り、イグアス公園へ向かった。
順調だった。
乗る時に、僕は、周りの人に気を使い過ぎて、どんどん先へ行かせてしまい、
サヨに怒られた。
あの人達は、譲ってもお礼も言わないし、僕達が座れなくなってもどうでもいいんだと言われた。
確かに、その通りかもしれない。
イグアス公園までの道は、ガタガタで立って乗っていたら、気持ちが悪くなっていたかもしれない。
少しウトウトしてしまったが、サヨのその言葉が頭にあり、
到着した時は、我先に降りてやろうと思った。
そして、バスから降りた瞬間、僕は最大のミスを犯した。
その瞬間は、スローモーションだった。
僕の手から、一眼レフが落ちたのだ。
そして、落下したのと共に、何かパーツが飛び散ったのがわかった。
すぐに無事ではないことがわかった。
外傷は浅いが、僕の心のダメージが深かった。
すぐに動作確認をすると、動作には問題はなかった。
不幸中の幸いかもしれないが、僕はいつもすぐに心を切り替えることができない。
サヨは、大雑把すぎる性格なので、こういう時、中身が無事で使えるならまあいいかと切り替えるタイプだが、
僕は、ずっと落ち込んでしまう。
服に何かこぼしても、サヨは後で洗えばいいやと開き直る。人の目を気にしなさすぎる。
でも僕は、服にしみができるといたたまれなくなる。みじめな気分になってしまう。
本当に正反対だと思う。
だけど今日は、冷静を装って、チケットを買いに行くことにした。
すでに、カメラのせいでもたもたしていたら、売り場は列ができていた。
ここで、大きな事件が起こる。
地球の歩き方に載っていた料金が、全く合っていない。
料金は、載っている金額の倍以上だった。日本円にすると、二人で4000円も違う計算になる。
アルゼンチンに入ってから、地球の歩き方は全く頼りにならず、料金が全部違っていた。
最新版を買ったはずなのに、とんだはずれだ。
完全にお金が足りない。
カウンターでは、カードもドルも使えないと言われ、何も解決策を教えてくれなかった。
もちろん、両替所もない。
サヨが、入口横にATMがあると調べてきたので、そこに行ってみるが、
なんと機械まで使えず、我々だけではなく、他の外国人も使えないようだった。
完全に途方に暮れた。
とりあえず、サヨがベテランっぽいおばさんの係員にどうしたらいいか聞くと、
中にも一台ATMがあるから、一人だけ入れてあげるから、行って来いと言われた。
意を決して行った。
正直、ここまで来て入れないかもしれないと言うパニックで、説明された場所をよく覚えていなく、
中のインフォメーションでマップをくれと言ってみたが、マップはないと言われた。
日本の観光スポットのように、自由に地図をもらえるサービスは、アルゼンチンにはないらしい。
とりあえず、ATMの場所を教えてもらって、何とか見つけてカードを差し込んだ。
うん?
さっきと表示が違うやん。
適当に頑張ってみたけど、このカードは使えないと返されてしまう。
全てのカードを入れてみたけどダメ。
決して、残高不足とかそんなはずはない。カード自体が対応していないのだ。
どんな顔して戻ればいいのか、かなり焦った。
戻ってサヨに行ってもらった。
サヨを待っている間、日本人をとにかく探した。
トイレから出てくる人、入場する人、血眼になり見たけど、いなかった。
一人だけアジア人っぽい人がいたので、声をかけてみたが違った。
僕のことを、凄い怪しい人だと思っただろう。
結局、サヨが行っても無駄だった。
しかし、ここで救世主が現れた!
従業員のジョージだ。
何とショップで、なんでもいいからドルでチープなものを買って釣りをペソにしてもらってこいと彼は提案した。
その手があったか!
でもなぜ、入場料ではドル払えないのに、ショップはOKなのか、かなり謎すぎる。
とにかくショップへ急ぎ、ファンタオレンジを買い、ついにお釣りでペソをもらえた!
なんとも言えない感動だった!
イグアスの奇跡が起こった。
晴れて二人分のチケット代のペソを払い、チケットを手に入れて入園。
心配そうに待っていたジョージにチケットを見せると、喜んでくれた。
ジョージと堅い握手をした。
なぜか、もう一人のおっさんの従業員も喜んでくれた。
入ってすぐに滝というわけではなく、トロッコ列車に乗って、奥まで行かなくてはいけない。
そのトロッコ列車の駅が、すでに凄い人が並んでいた。
さすが世界三大瀑布だ。
トロッコ列車は、かなり長くて、丸ノ内線くらいの長さはあったが、満員だった。
10分ほどかけて、滝の入口へと向かった。
そして、到着した駅からまた10分程度歩いて滝が見える場所まで行った。
道は、いくつも別れていて、見るポイントがたくさんあるらしくて、
どういう風なルートを選べばいいのか迷った。
とりあえず、適当に行ってみたところから見えた滝がもう凄かった。
かなり広く、大きいのでとても歩くけれど、色んな角度でイメージもかなり違った。
そして、ところどころ、かなり滝に近寄れるようになっていて、真上から見下ろしたり、
真下から見上げたりできるポイントもあるのだ。
これは、真上から見下ろしたポイント。真下から見上げている人達も見える。
世界三大瀑布はやっぱりスケールが違う。
ブラジル側からも見えるようになっているので、どっちがブラジル側なのだろう。
食堂の周辺に可愛らしい生き物がいた。
ハナグマだ。
こいつらは、可愛い見た目をしているけれど、実体は、ニホンザルのような扱いらしく、
人間の食べ物を狙う悪さをしているらしかった。
しかも、そのするどい爪でえぐってくるらしい。
これは、テーブルで食事をしていると、テーブルに乗り食べ物を奪いに来たところ。
サヨは動物が好きなので、触れあえない事に残念がっていたが、
大きなぬいぐるみを見つけて、喜んでいた。
そして、イグアスの滝の一番の見どころへと向かう。
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