ローカルバス恐ろしい
20:00になり、みんなとウユニのバス乗り場へ向かった。
A子さんとは、すでに別れていたけど、ラパスから一緒に来たメンバーは、そのまんま
一緒だった。
だけど、僕とサヨ以外は、みんな一緒にラパスへ戻り帰国するのみなので、
ここからは、サヨと2人に戻って、みんなとはルートが別々になる。
別れ際、なんかめっちゃ寂しかった。
そんな長期間一緒にいたわけじゃないのに、悲しくなった。
特に、I君の泣き顔に、もらい泣きしてしまった。
サヨがよく言っていた、旅先での別れというものは、こういうことなんだなと思った。
が、サヨは意外にも前向きのようで、次のバスへと颯爽と向かって行った。
バスは、ありえないくらいにオンボロだった。
まじでこれに乗るのか?まるで、お化け屋敷に入るかのような気分になった。
相変わらずサヨは、へっちゃらなようで、気にもしていない様子だった。
バスに乗り込む前に、バックパックを預けた。
サヨは小慣れていて、運転手だか係員だかわからないけど、荷物をしまってくれる人に愛想良く接してた。
運転手も、ニコニコ挨拶されて上機嫌だった。
こういうのは大事なんだそうで、運転手や添乗員に愛想良くしていれば、何かあった時、少しは守ってくれるし、何かと気にかけてくれるかららしい。
しかし、僕は、預け荷物にタグなど全くつけられずにしまわれるのが、めっちゃ不安だった。
これじゃ盗まれてもわからないじゃないか。
やっぱり大丈夫なのか?このバス。
予約した通りの一番前の座席に座った。
乗ってくる人は、子供連れや、大きな荷物を抱えた現地人ばかり。
日本人なんていない。しかし、一人だけ白人が乗り込んできた。
バスが出発してすぐにおかしいことが起きた。
運転席から客席へ入るには、扉があるのだけど、
走り出したばかりなのに、一人の客がその扉を叩いて何か叫んでいた。
しかも、僕達は一番前の席だから、真横に立たれて叫ばれてかなり恐怖だった。
車内は、真っ暗だし。
フードをかぶり、恐怖に打ち勝とうとした。
サヨは、こんなバスですぐに寝てしまっていた。
慣れ過ぎだろ!正直、すげーとしか言いようがない。
僕も眠りたかったが、車内の凄い寒さと誰か襲われるのではないかという不安から、
とてもじゃないが、すぐには眠れなかった。
ただ、バスはずっとウユニ塩湖の近くを通っているようで、星がきれいだった。
とにかくそのきれいさが、ちょっとだけ不安を忘れさせてくれた。
ちょうどi-podからは、ゆずの歌が流れていて、とてもマッチしていて脳裏に焼き付いている。
バスは途中何度も停まった。
トイレ休憩で降りる人もいたが、降りて置いて行かれたらという不安で、降りられなかった。
しかも、たった一人で、降りる勇気もない。
本当に怖いというのは、こういうことかと思った。
何度も、こう来たら、こう返すぞ!という戦いのシミュレーションを頭の中でした。
ラパスから来たバスとは、全く違う、ローカルバスの恐ろしさを知った。
サヨは、その間ずっと寝ていた。
何度目かの停車で、車内の様子が変わった。
みんなが降りていくという感じだった。
ドライバーも何か言っている。でもわからない。
サヨを起こすも、どうしていいかわからない。
その時、乗るときに見かけた白人が来たので、聞いてみた。
チェンジバスと言う言葉だけ聞き取った。
そう、ルカが教えてくれたのだ。
そこで降り、自分でメインバックを積み替え、トイレへ向かった。
ウノと言われたが、話してる余裕がなく無視してひたすら中へ入った。
出たら、また言われた。さすがに払った。
サヨと、もう一台のバスに乗り換える。
席は自由席になったのか、埋まってしまっていた。
空席を探すと、さっきの白人(ルカ)の隣が空いていたので、サヨをそこへ座らせる。
僕は、2席使って寝ていた地元人の女性を起こし、サヨの席から道をはさんで座った。
ルカは、すぐにイタリア出身ということがわかり、持っていた飴をあげた。
そしたらお返しにパンをくれた。
でも、僕はお腹の心配があり、ちょっとだけ齧って、ポケットにそっとしまった。
サヨは、普通に食べていた。
この小さくはないバスに、外国人は僕とサヨとルカだけなのだから、仲良くしたいと思った。
後ろの席の南米系の人から、時間を聞かれたので教えてあげると、
日本語でお礼を言われた。
さっきのバスより、だいぶ気持ちが楽になった。
予定よりもかなり早く、バスはビジャンソンに着いてしまった。
バスの中でもすでに寒かったのに、外は凍えるような寒さだった。
でも、ルカが一緒だった。
外はまだ夜も明けないし、怖そうな地元の人達もうろついているけれど、さっきより、全く怖くない。
この旅、2回目の大きな友達ができた。
その後、バスステーションの建物を見つけ、3人でそこへ入ってたくさん話した。
僕と同じように、ワンピースのサンジが好きなことや、サッカー、ミラノを応援していること、
そして、ブラジルで先生をしているらしい。
ルカは、野良犬にかなり気に入られていた。
そのうちに、寒すぎてまたお腹が痛くなり、トイレを探した。
BANOと書いてあるのをみつけたが、なんとまだ空いていなかった。
その後は、必死だった。僕は、日本の裏側で…
ご想像にお任せします。
戻ると、サヨとルカが楽しそうに話をして盛り上がっていた。
ちょっと同じベンチに座っていた地元の人とも仲良くなっていた。
そして僕は、何度もトイレを往復した。
時間が経つのを待ち、5:30を過ぎて、3人で国境へと向かった。
サヨは元気に、仲良くなった地元の人達にバイバイをしていた。
サヨはみんなに、笑顔で手を振って見送られていた。
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